第22回 建設官僚との対決2

●異常に気付かない日本

「なんだ、また首都高の話と違うじゃねえか」とお叱り受けそうですが聞いてください。
4月20日の朝日新聞の朝刊です。あるコラムで田中秀征経済企画庁長官(そもそも経済企画庁などとは、何をやっているのかよくわからん)が一席ぶっています。
「長期不況の中での低成長時代、各省庁が食うか食われるかのしのぎを削っているとのたまっているではありませんか。
こういうふざけた談話を見逃すわけにはいきません。

どの省庁が食うのでしょうか、あるいは食われる省庁はどこなのでしょうか?そもそも食う食われるの関係は、いったい何なのでしょう?
何の疑問もなく記者は書き、当然のごとくマスコミが掲載し、何の感慨もなく皆さんが読むのです。
そして何か漠然としたマイナスイメージで国民はマインドコントロールされているのです。
よーく考えてほしい。
食うか食われるかの関係は、アフリカサバンナの猛獣と同じです。
要するに干ばつで食物が極端に少なくなってしまった状況で、我々の税金で生存している各省庁が猛獣として歩き回っているのです。
食物は我々の税金で、未曾有の不景気が干ばつというわけです。
だいたい省庁は、国民の利便を根幹的な目的としていました。
それをいつのまにかお上などと成り上がり、国民の税金を食物に例えて食うか食われるかなどと言っているのです。
ふざけた話です。
今の日本はこの異常に気付かないのです。
異常な世界が正常になっているのです。その見本がこの談話です。

●一瞬ひるんだ道路公団

第1回目の質問状を見てください。
考えに考えて作成したものです。
官僚の皆さんに、子どもでも理解できるようにわかりやすく丁寧に書いてあります。
特に借り入れ予定額の項などは親切きわまりありません。
予定であるので将来実体と違ってもかまいません」などと相当の気配りがされています。
これを野坂浩賢建設相(当時)秘書の松原氏にファクスします。
おそらくその日のうちに、担当の方に届くと思います。さぁどうなったでしょう。
さすがに現職大臣の力はすごいものでした。
10月2日、建設省で行われた第1回ミーティングで提出された回答は見事でした。
高速道路調整官・田中康順氏、高速道路課課長補佐・芝村善治氏など総勢6人ほどで対応して頂きました。
松原氏はとみるとウンウンとうなずいているだけです。
話の輪に入るのは私の仕事ではないというふうです。
なかなか内容のあるミーティングで、2時間ばかりがアッという間に過ぎました。
官僚の皆さんは丁重に丁重に応えてくれました。
それに輪をかけたように丁寧な質問を重ねる私に辟易とした様子ですが、敵もあっぱれ、嫌な顔は絶対に見せません。
そこで最後に貯めに貯めておいた強烈なボディーブローを放ちました。
すると田中さん、今回の値上げで見込まれる増収分1千億円が捻出できれば、値上げはしなくともよくなりますね。
立て板に水の理論武装で滑らか口調の田中氏も一瞬ひるんだようです。
周りにも同意を得るように少し間をおいて、そうです。
そういうことになります」とハッキリ言いました。

●疑問だらけの公団資料

彼から提出された資料の分析を急がなければなりません。
とりあえず1千億円の捻出を漠然と意識しています。
その上で新たな質問状を作成し、2回目の会談を設定しもらわなければなりません。
これは松原氏の仕事です。
一見、整然と書かれているかのように見える建設省提出資料も、そこここにおかしな点が発見されます。
借り入れ残高16兆8826億円といいますが、国民全体の免許人口は5千万人ですから1人当たり33万8千円の負担となります。
何でしょうこれは。
住専どころの話ではありません。
しかも有料道路は日本道路公団だけではありません。
首都高速道路公団もあれば、阪神公団もあります。
同じ手法で計算して合算したら、どれほどの数字になるのでしょうか?考えただけでもうんざりします。
おそらく免許取得者1人頭100万円の負担は下らないでしょう。
やれやれ。
さらに完成道路の総延長5574・3kmで計算すると1km当たり30億2848万円の借金をしていることになるのです。
たった1kmにです。どう考えてもおかしい。
従業員数もおかしい。
管理している総延長距離5574・3kmを総勢8800人で管理すると633mに1人の割合です。633mごとに1人、延々と立っている構図になります。
さらにおかしいのは道路管理費。
年間2626億円の維持費が必要だと書いてあるのです。
そんなばかな話はない!
さらに決定的におかしな点があります。
金利平均4・5%として年間7597億円の支払い金利があります。
そのうえ償還金5627億円、人件費800億円、道路維持管理費2626億円、損失補填費1395億円など支出合計1兆8043億円に対して、売り上げ合計が1兆4300億円なのです。
この時点で3743億円の支出超過になります。
もうすでに大変な赤字なのです。
日本道路公団の財政は、すでに破綻しているのです。
いったいこれは何を意味しているのでしょうか?
しかも資料によれば毎年1兆円以上の借金を続けると書いてある。
しかし、これらのことは断腸の思いで今は問題にすまい。
いましばらく資料分析を行い、1000億円捻出の可能性を探ることとしましょう。
それも変な理屈は通りません。
難しい理論もダメ。
なるほど、と誰が見ても納得のできる簡単で単純で明快な説明が必要なのです。
この世の中には、2種類のお金しかありません。
すなわち入るお金と出るお金です。
出入りはさまざまな種類に分類されますが、ようは2種類しかありません。
10万円の規模でも、1000億円の規模でも全く同じです。
掲載した建設省からの資料はナマのもので、手を加えていません。
次回はこの資料から決定的な情報を引き出します。
読者の皆さんとともに考えて生きたいと思っています。
(つづく)

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